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令和7年5月21日 市長定例記者会見
【資料1 国宝松本城の魅力復活 埋橋(うずみばし)鮮やかに生まれ変わりました】
【市長】
私から2点ご報告いたします。まず、修繕工事を行っていた松本城の埋橋についてです。埋橋は昭和30年の大修理で、観光目的として建設されました。平成23年以降、地震の影響で通行止めとなっており、埋門(うずみもん)が閉鎖になっていたことから、埋橋の復元、あるいは通行再開について市民や議会から要望が出ていました。この埋橋は昭和期に建設されたもので、幕末期の姿を可能な限り具現化する松本城の整備目標とは乖離をしており、復元の対象ではないという前提がありました。また埋橋全体を修理、あるいは橋脚を取り換えるとなると、お堀の遺構に影響を及ぼすリスクがあるため下部構造の修理は不可能となり、赤い欄干部分の塗り替えを中心に美観工事を実施しました。欄干の上に載っている黒い擬宝珠(ぎぼし)や欄干材を再利用するなどし、およそ1千万円近い事業費で工事を終え、今日(5月21日)の午前中から新しい埋橋をご覧いただけます。黒い城と赤い橋のコントラストは、松本城のフォトスポットとして人気がございます。ぜひ、生まれ変わった埋橋を大勢の皆さんに写真や動画に収めていただき、松本城の1つの魅力として堪能していただければと思います。
【資料2 2つの“楽都”友好へ意見交換 オーストリア・ザルツブルク州関係者と市長会談】
【市長】
もう1点は、来週行われるオーストリアのザルツブルク州関係者との会談についてご報告いたします。ザルツブルク州のヴィルフリード・ハスラウアー州知事から私宛に親書をいただき、これから友好を深めていこうとご提案をいただきました。それを踏まえまして、来週26日、大阪・関西万博のオーストリアパビリオンで、知事代理のシュネル州副知事とザルツブルク音楽祭の総裁であるハマー氏と会談を行うことになりました。阿部市議会議長も同席予定です。ザルツブルク州、あるいはザルツブルク市は、モーツァルトの生誕の地として有名で、世界三大音楽祭の1つであるザルツブルク音楽祭は、毎年夏に市の人口15万人を超える24万人の方々が世界から訪れる著名な音楽祭です。ザルツブルク音楽祭と、セイジ・オザワ松本フェスティバルといった世界的な音楽祭を共に抱え、音楽を街の中核において文化を発信していく共通点を持った2つの都市です。来週は、どのような形で友好を深めていけるのか意見交換をしたいと考えています。ちなみに、ザルツブルク州の合唱団が本日松本で公演をしており、明日は州議会議員のほか4名が伊佐治副市長らと意見交換を行う予定です。私からは以上です。
【記者】
ザルツブルク州の関係者との会談についてお伺いします。松本市と海外提携をしている姉妹都市、友好都市がありますが、ゆくゆくはザルツブルク州、ザルツブルク市とどのような提携関係を作りたいと考えているのかお聞かせください。
【市長】
今の段階で具体的な道筋を描いているわけではありません。先ほど申しあげたように、州知事から親書をいただき、大阪万博でパビリオンを出展していることもあり、ぜひ大阪で会談をしたいという申し出でした。クラシック音楽の世界では、誰もが知っているザルツブルク音楽祭の開催地であり、モーツァルトの生誕の地でもあるため、こちらからもセイジ・オザワ松本フェスティバルの歴史について説明をし、音楽祭を持つ2つの街として、どのような交流ができるのか意見交換をしていくといった段階です。そうした歴史的経緯を踏まえれば、交流の核が音楽であることは間違いないと思います。
【記者】
セイジ・オザワ松本フェスティバルで、東京公演が中止になるという発表がありました。理由は協賛金が集まらなかったということですが、市長の受け止めをお願いします。
【市長】
フェスティバルの東京公演につきましては、小澤征良さんサイドから小澤征爾さんの生誕90年で開催したいという申し出がありました。実行委員会としては、松本で実行委員会が主催して行うフェスティバルが基本であり、それを前提に頂いている協賛金で東京公演を行うことは難しいという認識をお伝えし、東京公演を行うにあたっては、独自の協賛金集めを行う方向となっておりました。財団の寺沢常務理事を中心に、東京公演の協賛金の募集を行いましたが、昨今の経済事情なども反映して思ったようには集まらず、実行委員会としては開催を見送る判断をいたしました。
【記者】
市民合唱団が参加する予定でしたので、ある程度協賛金が集まる見通しが立ってから発表するのが本来の筋だと思います。今まで音楽祭を取材してきた中で、このような中止の発表は、私の経験上ほとんどありませんでした。どれだけのお金が必要であるなど、実行委員会の見通しの甘さや在り方について疑問を持ちました。その点についてどのようにお考えでしょうか。
【市長】
そのような疑問を持たれないように、運営を行っていくことが必要だと思っております。
【記者】
埋橋の件で、先ほど議会からも通行再開の要望が出ていたとのことですが、2011年の地震以降通行止めとなっており、今回の修理でも通行止めは継続だと思います。今後、通行再開の検討や予定はあるのでしょうか。
【市長】
基本的にございません。この埋橋の問題は、私が市長就任した時からだと思いますが、議会の一部の方や市民の皆さんからも、このまま放置することは望ましくないというご指摘を受けました。通行ができるようにという考え方もあれば、少なくともボロボロになった欄干の塗り直しはやるべきだという意見もございました。先ほども申しあげましたが、まずは文化庁と埋橋の位置づけを再確認し、下部構造まで修繕、整備しないと安全性の問題から通行できないということが明確になり、そして下部構造を修繕、整備するためには、お堀を掘り返す必要があって、これは遺構を傷つけるリスクが大きいと判断しました。そうした中で、少なくとも下部構造が壊れないまではフォトスポットとして残していこうと、1千万円弱の修繕費用で上部構造のみ修繕を行いました。従いまして、松本市としては昭和期に作った埋橋について、下部構造まで取り替えることは考えておりません。
【記者】
先ほどのOMFの関係で、協賛金が大きく届かなかったと事務局から聞きましたが、いくら必要で、どのくらい届かなかったのでしょうか。
【市長】
2千万円と伺っていました。それには遠く及ばないということです。
【記者】
実行委員会で中止を判断したということでしたが、最終的に市長が中止と決めたのでしょうか。
【市長】
(私が)実行委員長ですので。今月中には実行委員会がございますので、そこにも報告させていただきます。
【記者】
財団の理事会を通った上で決定したのでしょうか。
【市長】
東京公演は、実行委員会の通常の協賛金とは別に2千万円を確保する前提で、話を進めることになっておりました。
【記者】
やはり財源の目込みが立たないまま、開催を告知したことになると思います。それは運営のミスだと感じますがいかがでしょうか。
【市長】
ご指摘は、甘んじて受けなければいけないと思います。今回、少しイレギュラーな形で東京公演を行う方向になり、資金の確保も財団の常務理事を中心に行うという意向を私としても是といたしましたが、結果的にそうならなかったわけでございます。ご指摘のように、楽しみにしていた方々に対して、残念な思いをさせることにつながったと考えております。
【記者】
協賛金がなかなか集まらなかったと理由として、昨今の経済事情が大きく関係しているということでした。松本公演も含めてですが、協賛金を集めることに関して、小澤征爾さんが亡くなったことが影響している面もあるのでしょうか。
【市長】
繰り返しになりますが、松本公演の協賛金については、昨年度と同様のご協力をいただける状況になっております。それにプラスアルファ、いわば東京で新たな開拓を行うという話でしたので、松本で30年以上連綿と続いてきたOMFの開催に、マイナスの影響が出ているとは現時点において考えておりません。
【記者】
EVカーシェアリング事業についてお伺いします。今朝の新聞で利用状況を書かせていただきましたが、利用が低調な理由を市長はどのようにお考えでしょうか。
【市長】
スタートしたばかりですので、目標に対して低調ということではないと思いますが、最初から皆さんに利用していただくことは簡単ではないという思いで始めておりますので、しっかりと積み重ねて、利用していただける状況を作っていきたいと思っております。
【記者】
松本のシンカ(松本市公式Youtubeチャンネル)に、市長が出られているのを拝見しました。これから利用を増やしていかなければいけないと思いますが、市長自身が考えている改善策はいかがでしょうか。
【市長】
記者の方にも一度お乗りいただいて、メディアを通じて伝えていただく。いろいろな形で広く伝えていかないことには、どうしようもないというのが新しいものの定めだと思っておりますので、そのことを私自身も、またメディアの皆さんにもご協力いただいて伝えていきたいと思います。それと一番は、土日に松本城へお越しいただいた方々に使っていただくことが、立地特性から言っても必要であり、また有効だと思っておりますので、文化観光部や松本城管理課などにしっかりとPRをするよう促していきたいと思っております。
【記者】
OMFの話について、協賛金は集まらないが実施はしたいといった実施することが先に考えとしてあるということでした。松本マラソンでも、ランナーが集まらない、資金も集まらない、でも継続したといった実施ありきの考え方があり、共通していると思いました。実際に運営をつかさどっているのが実行委員会であって、実行委員会形式に無理があるのではないかと松本マラソンでも指摘がございました。実施の発表をしたものが中止になることは大きなことだと思いますが、今回の件を受けて、OMFの実行委員会の内部の在り方や、小澤さん亡き後、OMFの今後の運営をどうしていくかについても検証が必要だと思います。市長はどのようにお考えでしょうか。
【市長】
松本マラソンと今回のOMFの実行委員会の問題の所在は、明確に違うものだという認識を私は持っております。その上でOMF実行委員会の過去の歴史をさかのぼってみますと、理事会、あるいは実行委員会について、ある段階までは民間企業のトップが理事長や実行委員長に就いておりました。そうした中、その方々から運営方法についてご指摘があり、私が就任する直前は、坪田元副市長が実行委員長というイレギュラーな形になっていました。小澤征爾総監督の体調がなかなか優れないこともあって、総監督が全ての決定権とリードをしてきた音楽祭の姿が難しい状況になったのが、私が市長に就任した時のOMF実行委員会でございました。振り返りますと、私が就任した2020年3月から4月にかけて、コロナ禍ではありましたが、この問題と向き合うため東京に出向き、小澤征爾さんご本人や周辺の方々と意見交換の場を持たせていただきました。そして2020年の冬頃には、小澤征爾総監督とSKOの主要メンバー(現アドバイザリー委員)で、音楽の演目や指揮者を決めるといった整理になってきました。私自身が4月以降に実行委員長を務める中で、そういう形に移行をしてまいりました。小澤征爾総監督がお亡くなりになり、音楽的な開催内容は小澤征爾総監督の流れを組むアドバイザリー委員、さらにはSKO財団代表の小澤征良さんを中心に決定し、私が実行委員長で協賛企業の代表の方々が副委員長を務める実行委員会で承認するというのが今の形です。今回、小澤総監督がお亡くなりになったタイミングで、小澤征良さんサイドから東京でも公演をしたいという申し出があり、原則的な立場としては、松本での協賛とは別にということで今回の形になりました。説明が長くなりましたが、その中で今回のような事態が起きたことは決して望ましい姿ではないと思っておりますし、小澤征爾総監督がお亡くなりになった後、音楽面の中心となる小澤征良さんやアドバイザリー委員の皆さん、松本で行政、協賛企業、関係者の皆さんで組織する実行委員会、そして資金拠出の中心である理事会の皆さんといった3者の在り方をより明確にし、少なくとも今回のような発表したものができないといった事態を避けるため、実行委員会、理事会、SKO財団をはじめ、アドバイザリー委員との意思疎通、そしてプロセスの明確化を行わなければいけないと思っています。
【記者】
小澤征良さんサイドとはSKO財団のことですか。
【市長】
SKO財団の代表が小澤征良さんで、サポートメンバーもいます。
【記者】
アドバイザリー委員を含めSKO財団の方で、9月1日に東京で実施したいと決めたのでしょうか。
【市長】
最初の声がそのような形で上がりました。もちろんですが実行委員会が了承し、理事会にも報告して進めてきたことですので、コンセンサスを取っております。しかし、コンセンサスのプロセスや在り方に不十分なところがあったと考えております。
【記者】
松本マラソンの第三者組織委員会を速やかにとのことでしたが、今はどのような状況でしょうか。
【市長】
今は人選を進めているところですので、固まり次第、第1回の会合を開いていただきたいと思っております。
【記者】
人選が固まった段階でお知らせいただけるのでしょうか。
【市長】
考えております。
【秘書広報室】
以上を持ちまして、市長定例記者会見を終了します。
※AIにより文字おこしを行い、編集したものです。実際の発言とは異なる部分があります。